第5回日本スポーツ理学療法学会学術大会

大会長挨拶

第5回日本スポーツ理学療法学会学術大会
学術大会長 小林 寛和

我が国のスポーツは、ここ数年間で大きく様変わりをしています。競技スポーツの高度化に加えて、障がい者スポーツ、地域スポーツ、生涯スポーツなど、実施目的と対象者層が多様化しています。2011年に施行されたスポーツ基本法では、スポーツに関する施策が国の責務であると明記され、国民のスポーツ機会の確保、競技水準の向上等とともに、スポーツ外傷・障害の予防や科学的研究の推進についても強調されています。

スポーツ理学療法は、様々な対象者からのスポーツ復帰、外傷・疾病予防、パフォーマンス向上等の要望に応えるよう、医療機関のみでなくスポーツフィールドなどにも、その実践の場は拡がりをみせています。一方で、これから世界的なスポーツメガイベントが開催されることからも、我々が提供する内容を国際基準にも沿って充実させるべく、付加すべき知識・技能は少なくないと感じます。

このような背景の中、日本スポーツ理学療法学会では、我が国のスポーツ理学療法の現状を確認するとともに、「これから」と「国際基準」を見据えて、学問的領域と職域に関する検討を行ってきました。

それらに基づき「スポーツ理学療法の可能性」をテーマに掲げて、第5回日本スポーツ理学療法学会学術大会を、2018年12月8日・9日の2日間、日本大学文理学部・百周年記念館で開催したく企画をしました。

主なプログラムとして、我が国のスポーツの現状と課題に関する特別講演、国内・国外のスポーツ理学療法の現状とトピックスに関する講演、女性の活動を推進するための、またcore competenceを取り上げたシンポジウム、約50題の演題発表等を予定しております。

この学術大会を通じて、スポーツ理学療法の専門性を再考し、スポーツの中で、また理学療法の中でカバーすべき範囲についても検討したく、さらに学問体系への考えを深めたいところです。約500名を予定する参加者とともに、役割と責務を考える機会とし、我が国のスポーツ理学療法の今後につなげていきたいと考えます。